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*まだいしのなかにいる*

掏摸、王国 ・・・【BOOK14、15冊目】

掏摸(スリ)

掏摸(スリ)

王国

王国

 

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」・・・【BOOK13冊目】読んでいるときに、中村文則さんの「掏摸(スリ)」英訳版がロサンゼルス・タイムズ文学賞ミステリ部門のノミネート、惜しくも受賞は逃したとのニュースが入ってきた。じつはこの本は出版されたときに、ちょっと話題になっていて(*1)、本屋で手にとってパラパラ眺めつつ結局は買わずに未読だったのだが、、、ミーハーな僕はこういうニュースに弱い^^;

 

で早速、購入。ミステリー・スリラー部門ということでハラハラ・ドキドキな展開を期待したのだが、あにはからんや!文学文学していてwけっこう読み応えがあった。ミステリーとしては成功してるとはいえないのだが、人の内面を鋭く?あれ?人間の深層をえぐるかのような、あれ?、どちらもそう成功してるように思えない。それでも大江健三郎賞をとる作風ではある

 

そういう批評は僕のような素人が熱く語るべきものではないなぁ。中村文則さん作品のマジメな読み手ではないのだからただ。でもなんだろうこの2冊を2日で読了^^;いやはやまいったw。結構好きかもこの作者!もっと早くから順序よく読み継いできていたら、きっと大ファンになったにちがいない

 

この話し(2冊とも)も不条理性をテーマにしているのかもしれないが、そして救いがないように見えて、実は誰も救いなんか求めてないような、、、そう僕は読んで思ったのだが、、、はたしてそれが主題なんだろうか?

 

昔の国語の試験を思い出した「作者の言いたいことはナニか」ってやつだ。特に最悪だったのが読書感想文。「作者の言いたいコト」をどう読みどう書けばいいのか、、、だれも教えてくれない。そもそもムリな話しで、100人あれば100通りの感想が出来るものだ。そのことをあるときの国語教師にいわれ書きたい風に書けば良いのよ、と言われてずいぶん気軽に書ける、、、いや、やっぱり書けなかったが^^。文才という物は誰しにもあるものじゃないのだ

 

だけど今思うと、確かに100人分の読み方や書き方があるのはそのとおりだが、作者には作者のの意図があり、作者の血と汗が作品と仕上がったはずである。文才ない僕にはおよびもつかぬ才能。それの結晶が作品となるはず。であればやっぱり作者の狙いを読みとる努力を、読み手もおろそかにしてはいけなし。またその感想も同じように自らのあらんかぎりの努力をもって応じるべき、、、そう思った

 

そしたら全く読書感想文なんて書けなくなってしまったのである^^;;;これは読書報告で読書感想ではないんだよ。と負け惜しみをいっておこう。でもこの人の作品はいずれもっと有名になる。なればいいと思う。もっともっと読まれていいと、、、あれ?僕が遅れてただけか^^;。正直そう思ったのです

 

(1)野間新人賞、芥川賞大江健三郎と結構さわがれたのだった。そうなると買わない天の邪鬼な私